人工甘味料の種類と甘さの違い

プロテインやスムージーといった健康食品の味を左右する大きな要素が「甘さ」です。

「甘さ」と聞くと砂糖をイメージする方も多いですが、実際に健康食品でよく使われるのは人工甘味料です。

人工甘味料には合成品・天然由来のものがあり、種類によって甘さの感じ方や価格も大きく異なります。今回は、人工甘味料の安全性・使う理由・代表的な種類 を分かりやすく解説していきます。

健康食品やサプリメントのOEMを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること・人工甘味料の安全性
・健康食品で人工甘味料が使われる理由
・人工甘味料の種類と特徴
・最近人気の天然甘味料との違い

人工甘味料の安全性は?

「人工甘味料は身体に悪いのでは?」というイメージを持つ方も多いかもしれません。

実際に研究では、以下のような懸念点も指摘されています。

・甘さに対する感度が鈍くなる可能性
・腸内細菌叢(腸内フローラ)の変化
・糖代謝への影響
※参考文献:人工甘味料と糖代謝

ただし、このような悪影響はあくまでも習慣的に使用した場合に起こる可能性があるものなので、少量であればそこまで心配することはありません。

また、人工甘味料を含む添加物は厚生労働省が安全性を確認して、認可しているので摂取基準を守れば身体に影響はないとされています。

それでも人工甘味料の使用が気になる方は、パッケージの成分表示を日常的にチェックし、摂りすぎを避けることが重要です。

なぜ人工甘味料を使用するの?

健康食品やプロテイン、スムージーで人工甘味料を使う理由は主に以下の3つです。

① 少量で十分な甘みが出せる
  →砂糖の場合は多く入れないと甘くなりませんが、人工甘味料はほんの少し加えるだけで強い甘みが出ます。

② コストが安い
  →同じ甘さを砂糖で出すよりも、人工甘味料の方が安価に済むため、製造コストを抑えることができます。

③ 糖質を抑えられる
  →健康食品やダイエット食品では、糖質を少なく抑えることが求められます。
   人工甘味料は糖質量がほとんどないため、ダイエット中でも安心して使えます。

人工甘味料の種類

人工甘味料は「非糖質系甘味料」に分類され、砂糖とは異なる特性を持っています。

代表的なものをいくつか紹介します。

人工甘味料の種類例・アスパルテーム
・アセスルファムK
・スクラロース

それぞれ甘味度、甘味の感じ方が異なるので味付けをする場合は複数配合してより自然な甘みに近づけます。

アスパルテーム

コカ・コーラにも入っているアスパルテーム。アミノ酸であるアスパラギン酸とフェニルアラニンから作られる甘味料です。世界100カ国で使用されているため、最も馴染みのある人工甘味料でしょう。

アスパルテームが使用される理由としては、人工甘味料の中でも砂糖のような甘みに近いためです。甘さは、砂糖の200倍あり、中盤に甘みがきます。

アスパルテーム
由来原料 アスパラギン酸とフェニルアラニン
甘さ(砂糖との比較) 200倍
甘さの立ち方 中盤

スクラロース

スクラロースは砂糖を原料に作られる人工甘味料で、味にくせがないためお菓子などにも使われることが多いです。甘さは砂糖の約600倍と人工甘味料でもトップクラスの甘みがあります。後半に甘みがくるため甘みが口に残ることが多いです。

スクラロースは体内で消化、吸収されず体外に排出されるため、カロリーがゼロ。ダイエットなどにも最適です。

スクラロース
由来原料 砂糖
甘さ(砂糖との比較) 600倍
甘さの立ち方 後半

アセスルファムK

アセスルファムKは、酢酸を原料とした甘味料です。日本では2000年から使用が許可されたため、日本では新しい人工甘味料です。甘さは砂糖の200倍があり、甘味の立ち方はとても早く、甘みもすぐに引きます。そのため、アスパルテームやスクラロースなどと一緒に使い、甘さの立ち方を滑らかにします。

アセスルファムK
由来原料 酢酸
甘さ(砂糖との比較) 200倍
甘さの立ち方 序盤

最近人気の天然甘味料

天然甘味料とは、食品から抽出された甘味料をいいます。最近は人工甘味料への抵抗感から天然甘味料を使う企業が増えてきました。

その中でも、人工甘味料のように強い甘みを持ち、健康食品などによく使われるのが「ステビア」です。

ステビアは食品添加物ですが、天然由来の甘味料のため人工甘味料よりも印象がよいため、使われる機会も増えています。

ステビア

ステビアはキク科ステビアの葉から抽出し、精製したものが天然由来の甘味料です。ステビアは古くからマテ茶などの甘味料として使用されていました。

甘さは砂糖の200倍あり、後半に甘さが立ちます。ただ、他の人工甘味料と比べると独特の苦味があるため、ステビアの味を嫌う方もいます。

最近では、人工甘味料よりも天然由来のステビアを使用したいという依頼が増えています。

ステビア
由来原料 ステビアの葉
甘さ(砂糖との比較) 200倍
甘さの立ち方 後半

人工甘味料を使うのが一番安く済む

価格を安く済ませたいのであれば、人工甘味料を使うのが一番安く済みます。

人工甘味料<天然甘味料(食品添加物)<天然甘味料(食品添加物以外)

人工甘味料は安定的に供給がされるため、一番価格も安くて済みます。

天然甘味料になると供給が安定的ではなく、製造過程も複数あるので価格が高くなります。

また、食品添加物ではない天然甘味料(羅漢果やはちみつなど)は、原料の価格が高いのに加え甘味度が砂糖の数倍となるため、配合量が多くなります。

添加物を使用しないというメリットはありますが、価格は高くなります。

まとめ

健康食品に使用する甘味料には種類があり、以下の違いがあります。

・甘味度
・甘みの立ち方(序盤〜後半)
・価格や供給の安定性

そのため、商品のコンセプトやターゲットに合わせて甘味料を選ぶことが重要です。事前に希望の甘さやコンセプトを伝えると、製造もスムーズに進みます。

甘味料の選定で迷ったり、どの配合が最適か相談したい場合は、お気軽にお問い合わせください。